糖尿病は様々な病気を併発させる危険も持つ病ですが、実は健常者と比べてガンにかかる可能性が非常に高いのも糖尿病の特徴です。

糖尿病とガンのかかわり

アメリカの専門誌や、厚労省の発表では、糖尿病患者は健常者に比べてガンに罹患する確率が高いとされています。
例えば肝臓がん、すい臓がんの確立で2倍近く高まります。

性別は肝臓や膵臓ガンは男性が多く、女性は卵巣ガンや胃ガンの可能性が高まります。
これらのガンと、糖尿病との因果関係は、詳しいことはいまだにわかっていません。

しかし、有力な説としてあるのが、インスリン量です。
通常、健康な人だと、ある程度のインスリンの分泌量で十分血糖値が下がります。
しかし糖尿病患者は、ある程度のインスリンの分泌量では効果がなく、大量のインスリンを必要とします。
その結果、高インスリン血症状態になります。
細胞増殖を助けるIGF-1という物質の働きが活性化します。
この物質が、臓器にわずかながらも存在していたガン細胞を活性化、増殖させてしまい、ガンの発現確率を飛躍的に高めるということです。

血中のインスリンの濃度が正常であれば、この物質はIGFBP-1というもう一つの物質により働きが妨げられ、バランスがとられています。
インスリンが大量に出ることで、両者のバランスが崩れてしまうということです。

もう一つ、糖尿病とガンの発症は、ウイルスによるものもあります。
具体的にはピロリ菌や肝炎ウイルスです。
これらのウイルスにかかると、胃ガンや肝臓ガンと同時に糖尿病を患う可能性が高まります。
例えば肝炎のウイルスは肝硬変を引き起こし、肝臓の働きが落ちます。
すると血糖をグリコーゲンとして一時的に蓄える機能も低下し、結果的に高血糖状態を引き起こします。
そしてインスリンを過剰に分泌させ、前項の糖尿病の状態と同じことになり、ガンのリスクが高まるのです。

糖尿病予防が、ガン予防につながる

上記のことを考えると、糖尿病予防がガンの予防にも一役買うのです。
糖尿病と一口に言っても、1型と2型の二種類があります。
1型はすい臓にあるインスリンの分泌を担う細胞が破壊されてしまうことによって起きた糖尿病のことで、2型は不規則な生活や運動不足など、生活習慣上の原因でインスリンが過剰に分泌されて起きた糖尿病です。
日本人の糖尿病の方の9割以上は、2型とされており、規則正しい生活、バランスのいい食事などで十分予防できます。

ここから糖尿病予防に欠かせない、4つの要素を詳しくご紹介していきますので、是非心がけてみてください。

肥満と運動不足の解消

まず第一に挙げられるのはやはり、肥満と運動不足の解消です。
内臓脂肪はインスリンの働きを弱め、血糖値の上昇を招きます。
インスリンを大量に分泌させようとする、元凶ともなりますので、しっかりと燃やしていく必要があります。

脂肪を燃やすためには、運動しかありません。
ジョギングやウォーキングといった軽めの運動でも大丈夫ですので、週に1回や2回でも、継続してやることで、徐々に改善していきます。
寝る前のストレッチなどでも十分効果があります。

食生活の乱れ

内臓脂肪をため込まないようにするには、食生活の見直しも必要です。
油ものや揚げ物、炭水化物が多く、野菜が少ない食生活は肥満や生活習慣病に直結します。
バランスの取れた食事をすることはもちろん、運動量に比例した量の食事にとどめるのも大切です。
全く運動していないから、ごくわずかの食事しかとらない、ということではなく、目立った運動をしていないというときは、大量のたんぱく質や脂質をとるのを控える、ということです。

禁煙

タバコは血糖値の上昇の原因と同時に、インスリンの効果も弱める働きがあります。
また、喫煙者の糖尿病は、ガンと同時に心筋梗塞や脳梗塞なども起こしやすくしますので、糖尿病の疑いがあれば早めに禁煙の取り組みをすることも検討してください。

飲酒

そしてもちろん、大量のアルコールも肝臓や膵臓に多大な負担をかける原因になります。
肝臓に強い負担がかかると、肝硬変などを発症し肝機能が低下します。
血糖値の上昇が起き、高インスリン血症などになり、糖尿病へとつながります。

しかし、原因は不明ですが適度な飲酒は糖尿病のリスクを低下させる効果がある、とされています。
ただ、自分で「これぐらいなら適量だろう」と決めて、大量に飲酒をするのでは意味がありませんので、負担にならないほどの、適量を飲酒するだけにとどめてください。

これら4つの要素を意識することで、生活習慣病のリスクが下がり、2型糖尿病の発症も抑えられます。
そして、ガンというものは基本的には生活習慣病の一つです。
規則正しい生活を送ることで、大きく罹患リスクを下げられます。
ガン予防が様々な病気の予防につながり、ひいては健康の維持につながりますので、ぜひとも意識してみてください。